坪単価と家づくり成功のカギ

坪どのくらいでできますか?

pic_genkan_szw住宅の相談をうけるときによく聞かれる質問です。いわゆる「坪単価」というものですが、坪単価ほど曖昧でいい加減なものはありません。

坪単価とは結果論なので、詳細を決めて金額を積み上げてみないとわからないもの。何も決まってないときに「坪○○円でできます」ということは、決まっている仕様の範囲内ということで、その仕様から外れるたびに増額になり、安いと思って頼んだのに最終的には高いものになってしまうというのはよく聞く話です。

工事費に含まれるのがどの範囲なのか? 外構まで含むのか? 照明器具は別途なのか? 坪単価の定義は実に曖昧です。単純に比較することは決してできません。


費用面で不安に思うのは当たり前

pic_room_mri2最初に金額がわからないと不安になるのは当然です。

でももっと不安なのは、詳細も決まっていないのに金額が提示できるということ。あり得ないからなんです。「基本価格」「スタート価格」「決まった仕様」という坪単価であり、完成時の坪単価は決して提示できません。

ですから、大切なのは限られた予算の中で、思い描く理想の住まいを実現してくれる、相性の良い信頼できるパートナーを見つけることが、家づくりの成功のカギなのです。

とはいえ、ある程度の家の値段は知りたいものです。


工事費用=直接工事費+諸経費

pic_genkan_hms1工事費用は「直接工事費」と「諸経費」から構成されます。

家は大工さんをはじめ様々な専門職の人々によって作られ、そのそれぞれの職種の工事費を合算したものが「直接工事費」となります。使う材料や施工の方法なども1件1件違ってくるので、しっかりとした設計図面がないと正確な見積もりは出せないものです。

諸経費」は会社の経費で、広告宣伝費や営業経費なども含まれるので会社規模が大きくなればなるほどこの諸経費は大きくなります。


「面積」だって曖昧

pic_living_kts3こうした「直接工事費」と「諸経費」から家の値段が算出され、それを「面積」で割ったものが坪単価となります。また、「面積」の考え方も曖昧で、建築基準法上の面積で計算する場合もあれば、吹抜けやバルコニーなども入った施工面積から計算されることもあり、平屋なのか2階建てかでも異なります。

その建築事業者が良心的な価格提示をするならば、スタート価格を「坪単価」として表示することはせず、実際に建てている家の「平均坪単価」の結果論を反映させるものです。

ちなみに、総務省による統計では宮崎県の木造住宅の工事予定額の平均坪単価は約46万円となっていますので、一般的な目安としてはこの数字を参考にされると良いのではないでしょうか?

 

住宅・店舗等の建築設計事務所「ゆうぼく人」。“まちの良心的なケンチクヤさん”として皆様にご愛顧いただいております。地域で生き、地域で暮らすための、地域のしごとづくりとなる“コミュニティレストラン”をめざしています。

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